2018年01月05日

ALS患者の役割認識とQOLの変化



日本難病看護学会誌に論文が掲載されました。

平成22年度科研費研究助成事業によって行った研究 「ALS患者の役割認識の変化―あきらめる役割.残る役割.新しい役割―」の第三弾の論文です。

修士論文のテーマから「ALSとともにその人らしく生きるための支援」についての研究を継続しています。今までの研究から、ALSの発症によるアイデンティティの崩壊と再構築のプロセスと役割認識(家族役割と社会役割)が関連していることが明らかになりました。
下記の3つの研究はそれを深めるための研究です。

第一弾 
  社会福祉学会55(3),41−55,2014
質的研究を通して、ALS発症前後で変化していないことを「連続性」、変化したことを「非連続性」として、役割認識の変化について検討しました。
  
第二弾
「筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者における家族役割・社会役割の認識」
  日本難病看護学会誌,19(2), 189-199, 2014 
第一弾の研究を基盤として量的研究により、発症前の性格やストレスコーピング特性などの「連続性」と役割認識の関連を検討しました。     
        
 第三弾 
「筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の役割認識とQOLの変化」
身体状況や療養環境にともなう役割認識の変化とQOLの関連について検討しました。


表紙.JPG



確定診断のために入院された患者さんにご協力いただき、継続的にSEIQOL-DWを用いてQOLを測定することで、告知からの時間的な経過や心身状況、生活状態の変化による役割認識の変化と、それにともなうQOLと役割認識の変化について検討しました。また、人工呼吸器を装着して在宅で過ごされている患者さんとの比較を行いました。

SEIQOL-DWを用いてQOLを測定することで、私自身が医療ソーシャルワーカーとして行ってきた支援の評価にもなりました。

難病看護.JPG


SEIQoL-DW(SEIQoLSchedule for the Evaluation of Individual Quality of Life-Direct weighting procedure)は、半構造化面接法によるQOL評価方法です。

posted by yoshimi at 20:56 | TrackBack(0) | 研究
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