母校の大阪歯科大学歯科衛生士専門学校の先生方と、11年間続けている研究です。3年間の追跡調査の報告が、日本歯科医学教育学会誌33巻3号に掲載されました。印刷物はなくHPでだけ閲覧できる学会誌です。
2006年〜2009年の3年間 、学生へのフォーカスグループインタビューを行い、その結果に基づいて教育改革を進めてきました。しかし,教育改善後の学生への聞き取り調査においても,依然として実習開始直後の不安が語られていいました。
そこで、2013年〜2015年に、3年生の臨床見学開始前から3年生の臨床実習終了時までの追跡調査を行い、臨床実習の時期による不安の変化や、学生の性格などと不安の関係について検討しました。
人生の成長や発達過程において、「不安は重要な鍵概念である」といわれています。しかし、過度な不安により病的な心理状態に陥らないように学生を支援することが重要だと考えています。
現在は、学生が臨床実習での不安にうまく対処するために、臨床心理士による心理的な支援を実施しています。特に、不安の平均値が高かった3年次の臨床実習開始前から継続的に、大分大学福祉健康科学部の岩野卓先生により、「実習中の不安に負けないプログラム」としてクラス全体への介入を行っています。そして、介入により不安がどのように変化するのか検討しています。