3月に定年を迎えます。
母校で最終講義ができて幸せです。
2025年3月13日木曜日、15時〜16時30分
大阪公立大学中百舌鳥キャンパスのA4棟402教室
要旨の一部
質的研究を通して口腔がん患者のニーズに焦点を当て,社会生活に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。口腔がん患者22名に対して半構造化面接を行った。分析はグラウンデッドセオリーアプローチの手法を参考にした。本研究では,口腔がんの特徴的なカテゴリーである《食生活の変化による社会関係の減少》と,社会生活の支援で重要となる《仕事への影響》に焦点を当て,詳細に分析した。
「苦しかったり,大変だったこと」という質問に対し,食生活への影響が多く語られた。食生活の変化により食べる楽しみが減少することに加え,社会関係の減少や楽しみの機会の減少に影響していた。一方で,障害を受容し価値転換が行われた人では,自分の残された価値の存在に目を向けることができていたことから,心理社会的支援を行うことで,口腔がんサバイバーのQOL を向上させることができると考える。また,稼働年齢の口腔がんサバイバーにとって,仕事への影響が大きい。仕事を継続することは経済的安定だけではなく,仕事を通して社会的役割を認識することが可能となり,自分の存在意義や生きがいを感じる可能性が高くなることが示唆された。告知直後からの医療ソーシャルワーカーとともに就労を継続するための支援を行うことは,療養生活の経済的安定を支えることに加え,社会関係や生きがいを継続する上でも大切だと考える。
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